ダーリンがやってきた。
この切なさを分かってはくれないらしい。


強く抱きしめてくれるだけでいいのにな、
とそれすら口に出せない私。
好きだって言うことを確認したい衝動に駆られているだけ。

セックスが、したいわけじゃない、
だけど、夜中のこんな時には、それが通用しない気がして
それすら飲み込む。
何が何でも嫌、というわけでもなくて、
プライオリティーが低いだけだから。
その後の感情に揺り戻しにちょっと疲れてしまうだけだからさ。


行動から深読みするのは疲れる。
例えふんだんに嘘で塗り固められていたとしても、
何気ない時のその一言で、私は簡単に心を許してしまうだろう。


そしてまたダーリンは帰っていた。
仕事あるし当然だ。
そして入れ違いに紗代子が帰宅。
絶対すれ違っただろ、ぐらいのタイミングでちょっと笑えた。

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